チャレンジ精神に勲章を―点数ありき、の評価土壌と自己肯定感―

昨日は英検の合否結果報告が相次ぎました。

私の運営する教室生徒の小4から高2の11名が、5級から準1級を受験し、10名が合格※しました。
対策講座を受講したのは5級受験の2名のみでしたので、殆どの受験者が自力で合格を勝ち取ったわけです。本当にすごい!おめでとうございます!(※3級以上は1次合格)

しかしながら、私はとりわけ準1級にチャレンジして不合格だった高2の子に、ひときわ大きな拍手を送りたいのです。
彼にとって初挑戦でした。
準1級は難易度がグッと上がり、英語指導者ですら数回受験して合格するようなレベルです。誰しもが、何かしら受験を逃れる言い訳を探して、先延ばしにします。
そんな準1級に「受けて立つ」その心意気。勇気!そして、受けると決めたからには、学校の休み時間も単語帳にかじりついていたという彼。結果は不合格でしたが、私は彼のこの挑戦そのものに勲章を贈りたいのです。

教育業界では、とかく合格者ばかりをもてはやしがちです。こぞって声高に「〇名合格!」です。
宣伝効果を考えれば当然と言えば当然ですが、私はずっとそれに違和感を感じてきました。
そもそも合格は受験者の手柄であって私の手柄ではありませんし、何より、合格にしか目を向けないというのが、私にはできない。(だからビジネス下手なのねw)

もちろん一発合格させてあげたいし、受かった報告は何より嬉しいです。
でも、不合格だって、いいじゃないですか。
挑戦する勇気、その人が受験に向けて費やした時間とエネルギー、これこそに意味があるのではないでしょうか?不合格が怖くて受験を先送りにした人達には決して手にすることができない経験を積む。失敗から立ち上がり再挑戦する。これは人生において財産ですよ。

点数結果ありき、の評価土壌を作ってしまうと、子どもは失敗を恐れて自分にできそうなことにしか手を出さなくなります。成功しないと褒めてもらえないなら、失敗すると自己肯定感が下がりますよね。
子どもの自己肯定感を上げたいと思うのであれば、私は、点数や合否ではなく『挑戦と目標に向かう過程』『成功だけでなく失敗から得る教訓』に価値があることを伝えたいなと思います。
成功体験を積んでほしいのはもちろんですが、「不合格=失敗」と決めつけないで、その過程で学んだことの価値が何物にも代えられないことを伝えれば、誰しも臆せずチャレンジし、経験から学び、安心して自分で決めた道を歩んでいけるんじゃないかな、と、思うのです。

そんなわけで、英検にしろ何にしろ、挑戦する心意気にエールを送りたい。努力の過程を評価したい。そして、結果がどっちに転んでも、学ぶものがあるのだということを知ってほしい。

少なくとも私が歩いてきた人生は、失敗から学ぶことのほうが多かったように思うのです。

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